ハリメドとは

医師と鍼灸師がつくる、新しい医療連携のかたち

ハリメド(Harimed)は、医師と鍼灸師が協働し、医鍼連携を実装するためのプラットフォームです。

日本の医療には、まだ解決していない「空白領域」があります。
たとえば、原因が明確でも治療が限界に達している症例、または原因が特定できないにもかかわらず苦しむ患者――
いわゆる**持続性身体症状(PPS)やMUS(Medically Unexplained Symptoms)**の領域です。

こうした患者の多くは、医療と鍼灸のあいだに存在する“連携の壁”によって、適切な治療機会を失っています。

鍼灸と医師の連携に足りないのは「鍼灸への正しいアクセス」

医師が多様な治療法を検討する中で、いまだ鍼灸を選択肢に上げる機会が多くありません。その背景には、信頼して連携できる鍼灸師との接点が極めて少ないという構造的な問題があります。

・良い鍼灸師を知らない
・連携できる鍼灸師を知らない
・鍼灸で何をしているのか知らない
・鍼灸でどんな疾患が改善できるのかを医学部で学ばない

現実として、日本で鍼灸を提供できる病院は全体の4%未満。
医学部教育にも「鍼灸」という言葉は未収載のままです。

その結果、鍼灸を“紹介したくても紹介できない”――
そんな構造的なギャップが続いています。

ハリメドがつくる「医師と鍼灸師が補完し合う環境」

ハリメドは、この課題を解決するために、専門医と鍼灸師が対等に学び合う場を提供します。

・医師と鍼灸師が共同登壇するコラボセミナーの開催
・鍼灸の適応と標準治療の限界を共有する双方向の教育プログラム
・地域の医師と鍼灸院をつなぐ「ハリメドマップ」の構築

ハリメドマップでは、紹介・逆紹介の循環が機能する医鍼連携システムを構築し、
医師が適応を判断し鍼灸へ委ね、鍼灸師が必要に応じて医師へ紹介できる――
そんな“顔の見える医鍼連携”を実現します。

まず第一歩として、ドクターフレンドリー鍼灸院マップを作製します。
地域の医師に自分の鍼灸施術を体験してもらいたい鍼灸院に登録し、実際に医師が鍼灸施術を体験することで、
“鍼灸を医療の選択肢として検討できる関係性”を育てます。

世界で進むエビデンス、遅れる日本の実装

近年、海外では鍼灸の科学的根拠が次々と発表され、
慢性疼痛・がん性疼痛・化学療法誘発性神経障害などが各国の診療ガイドラインに掲載されるようになりました。

PubMedでの鍼灸関連論文数も年々増加し、世界の研究者が注目しています。

しかし日本では、ガイドラインに鍼灸が掲載されても、
「どの鍼灸院に紹介すれば良いのか分からない」
「医師が鍼灸を信頼していない」
「鍼灸師が論文を読む習慣が少ない(技術の徒弟などの教育システム)」
そうした現場の実装の遅れによって、患者がその恩恵を受けられない現状があります。

ハリメドが取り組むこと

・最新の鍼灸の論文やガイドラインの共有
・鍼灸の患者説明スクリプト(説明の言語化)の整備
・専門医による標準治療の成果と限界の発信
・鍼灸院目線での受療率向上と患者啓発支援
・地域医師と鍼灸師の顔の見える関係づくり
・西洋医学×鍼灸の知識アップデートの促進
・医師が適応を判断し鍼灸へ委ねる文化の醸成

この連携を強化する活動を行います。

ハリメドは、医師と鍼灸師でつくる医鍼連携の場です。
医療の限界と鍼灸の可能性、その両者を結び、患者の「治りきらない」に寄り添う新しい医療の形を目指します。