肩髃(LI15)完全解説|部位・取穴・主治・禁忌【WHO標準】

肩髃(けんぐう、Jianyu)は手陽明大腸経(LI)に属する経穴です。WHO/WPRO標準経穴部位(2008年)では肩峰前下縁と上腕骨大結節の間の陥凹(上肢外転時に現れる前陥凹)に定められています。肩関節周囲炎(五十肩)・肩痛・上肢麻痺・半身不遂・皮膚風疾(蕁麻疹)などへの臨床応用が知られています。

目次

基本情報

項目内容
穴名肩髃(けんぐう)
英名 / 拼音Jianyu
経脈手陽明大腸経(LI)
番号LI15
要穴分類手陽明・陽蹻脈の交会穴

部位・取穴法・刺鍼

項目内容
部位(WHO/WPRO 2008)肩峰前下縁と上腕骨大結節の間の陥凹(上肢外転時に現れる前陥凹)
刺鍼方向・深度直刺または下向き斜刺0.8〜1.5寸

取穴のポイント

上肢を外転させると肩峰前下縁と上腕骨大結節の間に明瞭な陥凹が2か所(前・後)現れる。肩髃はその前方の陥凹に取穴。自然下垂位では陥凹が不明瞭になる。五十肩では強い圧痛を認めることが多い。

解剖学的情報

刺入組織層:皮膚→皮下組織→三角筋中部→棘上筋下縁(深刺時)。肩峰下滑液包が近接。腋窩神経(C5-C6)の上外側上腕皮神経が分布。

主治・適応

ツボマップで肩髃を確認する →

  • 肩関節周囲炎(五十肩)・肩痛
  • 上肢麻痺・半身不遂
  • 皮膚風疾(蕁麻疹)

代表的な配穴

主治・症状配穴臨床的根拠
肩関節周囲炎(五十肩)肩髎(TE14)・臂臑(LI14)・条口(ST38)肩関節前後の経穴と遠隔の条口を組み合わせた五十肩の標準配穴
上肢麻痺・脳卒中後遺症曲池(LI11)・合谷(LI4)・外関(TE5)大腸経の上肢主要穴を流注に沿って配穴する

要穴としての意義

肩髃(LI15)は手陽明・陽蹻脈の交会穴として分類されます。陽蹻脈との交会穴として肩部の陽気疏通に重要。肩関節疾患の最重要局所穴。

臨床エビデンス

肩髃は肩関節疾患への鍼治療で最頻用穴の一つです。Cochrane Database(Green et al., 2005)の肩痛への鍼治療レビューでは肩髃を含む配穴が短期的な疼痛・機能改善に有効であることが示されました。脳卒中後肩-手症候群への効果についてもRCTで有意な改善が報告されています(Sun et al., 2017)。条口からの透刺(条口透承山)は五十肩への独特の技法として知られます。

まとめ

肩髃(けんぐう)は手陽明大腸経(LI)に属し、WHO/WPRO標準に基づき肩峰前下縁と上腕骨大結節の間の陥凹(上肢外転時に現れる前陥凹)に位置します。肩関節周囲炎(五十肩)・肩痛・上肢麻痺・半身不遂・皮膚風疾(蕁麻疹)などの主治に用いられ、刺鍼は直刺または下向き斜刺0.8〜1.5寸が標準です。本穴は手陽明・陽蹻脈の交会穴に分類され、経穴学上の重要性が高い。

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著者:ハリメド編集部|現役医師監修

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この記事を書いた人

「医師×鍼灸師プラットフォーム HARI×MED」管理者。クリニックと併設鍼灸院を経営。医学的知見と経営・マーケティングを融合させ、鍼灸のファンを増やす活動を通じて受療率向上を目指しています。持続可能な医療連携モデルの構築を全国で支援します。

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