天鼎(てんてい、Tianding)は手陽明大腸経(LI)に属する経穴です。WHO/WPRO標準経穴部位(2008年)では頸部、扶突穴下方1寸、胸鎖乳突筋後縁に定められています。咽喉腫痛・嗄声・瘰癧・甲状腺腫・暴瘖(突発性失声)などへの臨床応用が知られています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 穴名 | 天鼎(てんてい) |
| 英名 / 拼音 | Tianding |
| 経脈 | 手陽明大腸経(LI) |
| 番号 | LI17 |
部位・取穴法・刺鍼
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部位(WHO/WPRO 2008) | 頸部、扶突穴下方1寸、胸鎖乳突筋後縁 |
| 刺鍼方向・深度 | 直刺0.3〜0.5寸 |
| 禁忌・注意 | 頸動脈・迷走神経への刺入禁忌 |
取穴のポイント
扶突(LI18)の1寸下方(鎖骨上方)。胸鎖乳突筋の後縁を触れながら、筋縁の後方に取穴する。頸動脈拍動部から十分に離れていることを確認してから刺す。
解剖学的情報
刺入組織層:皮膚→頸筋膜(浅葉)→胸鎖乳突筋後縁→中斜角筋前縁。頸動脈鞘(内頸動脈・内頸静脈・迷走神経)が前内方に走行。横隔神経(C3-C5)が前斜角筋前面を通過。
主治・適応
- 咽喉腫痛・嗄声
- 瘰癧・甲状腺腫
- 暴瘖(突発性失声)
代表的な配穴
| 主治・症状 | 配穴 | 臨床的根拠 |
|---|---|---|
| 咽喉腫痛・失声 | 合谷(LI4)・列缺(LU7) | 大腸の原穴・肺の絡穴との遠隔配穴で咽喉の気機を通じる |
| 甲状腺腫・頸部腫瘤 | 天突(CV22)・扶突(LI18) | 局所の頸前部穴を組み合わせて気機を疏通する |
臨床エビデンス
天鼎は咽喉・甲状腺疾患への頸部局所取穴として重要です。嗄声・失声への鍼治療で頸部経穴(天鼎・扶突・廉泉)を用いた治療の有効性が症例報告・小規模RCTで報告されています。頸部交感神経節への近接刺激が甲状腺機能・声帯血行に影響する可能性が論じられています。
禁忌・施術上の注意
頸動脈・迷走神経への刺入禁忌
まとめ
天鼎(てんてい)は手陽明大腸経(LI)に属し、WHO/WPRO標準に基づき頸部、扶突穴下方1寸、胸鎖乳突筋後縁に位置します。咽喉腫痛・嗄声・瘰癧・甲状腺腫・暴瘖(突発性失声)などの主治に用いられ、刺鍼は直刺0.3〜0.5寸が標準です。施術時は頸動脈・迷走神経への刺入禁忌に注意が必要です。
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著者:ハリメド編集部|現役医師監修
