【ツボ解説】三間(さんかん/LI3)|歯痛・頭痛・顔のむくみに効くツボ【場所・効果・取り方を図解解説】

🧭 三間(さんかん/LI3)とは

三間(Sanjian)は手陽明大腸経(LI)に属するツボで、五兪穴では「兪木穴(ゆぼくけつ)」にあたります。
体の熱や炎症を鎮め、気血の流れを整える働きがあり、歯痛・頭痛・顔のむくみなど、顔面の症状に幅広く使われます。


📍 場所と取り方

人さし指の外側(親指側)で、第2関節より少し手の甲寄りにあるくぼみが三間です。

やさしい取り方

  1. 人さし指を軽く曲げて、第2関節の外側を触ります。

  2. 骨と骨のすきまのやわらかい部分を探します。

  3. 押すと軽い痛みやズーンと響く感覚があるところが三間です。

💡目安:合谷(LI4)のすぐ手前、骨の際の小さなくぼみです。


🪶 名前の由来と意味

「三間」とは、「三番目の関所」という意味があります。
商陽(LI1)・二間(LI2)に続く大腸経の流れの中で、
外から侵入する風熱を防ぎ、体の表層を整える位置にあります。
五行では「木」に属し、気の巡りを良くし、痛みを鎮める性質を持ちます。


🩺 主な効果・効能

分類 効果・適応症
🔥 清熱作用 顔の熱感、歯痛、咽頭炎、口の乾き
⚡ 鎮痛作用 頭痛、歯痛、顔面痛
💧 利水作用 顔のむくみ、目の腫れ、鼻づまり
💨 通経作用 気血の流れを整え、循環を改善

💬 臨床応用

  • 歯痛・頬の腫れ:三間+合谷(LI4)で清熱・鎮痛を促します。

  • 頭痛・むくみ:三間+太陽(EX-HN5)で循環を改善します。

  • 鼻づまり・副鼻腔炎:迎香(LI20)との併用で通鼻作用を高めます。


⚙️ 押し方と刺激法

  • 指圧法:親指で10秒間ゆっくり押し、3回繰り返します。

  • 鍼法:直刺0.3〜0.5寸。軽い瀉法(清熱・鎮痛目的)で使用します。

  • 灸法:温灸1〜3壮。冷えを伴う痛みやむくみにも効果的です。


⚠️ 注意点

  • 過度な刺激は避けます。

  • 顔面部の炎症が強いときは、曲池(LI11)や合谷(LI4)と併用します。

  • 急性症状には即効性がありますが、慢性症状には定期的なケアが必要です。


🧩 関連するツボ

目的 組み合わせ経穴 効果
清熱・鎮痛 合谷(LI4)、曲池(LI11) 顔・頭部の炎症や痛みを緩和
利水・消腫 太陽(EX-HN5)、迎香(LI20) むくみや鼻づまりを改善
明目・通経 太衝(LR3)、攅竹(BL2) 目の疲れ、頭重感の改善

📘 教科書的分類

項目 内容
所属経絡 手陽明大腸経(LI)
五兪穴 兪木穴(木)
性質 清熱・鎮痛・利水
取穴基準 第2中手骨と第1指骨の間、第2中手指節関節の後方陥凹部

🗺 図解イメージ

※準備中

人さし指の第2関節より少し手前、骨のあいだのくぼみに取ります。


🌿 まとめ

三間(LI3)は、顔や頭の熱や痛みを鎮める代表的なツボです。
歯痛や頭痛、顔のむくみなど、上半身の炎症性症状に効果的です。
清熱・鎮痛・利水の三作用を持ち、日常のセルフケアにも使いやすいツボです。

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この記事を書いた人

「医師×鍼灸師プラットフォーム HARI×MED」管理者。クリニックと併設鍼灸院を経営。医学的知見と経営・マーケティングを融合させ、鍼灸のファンを増やす活動を通じて受療率向上を目指しています。持続可能な医療連携モデルの構築を全国で支援します。

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