🧭 合谷(ごうこく/LI4)とは
合谷(Hegu)は、手陽明大腸経(LI)に属するツボで、**「万能のツボ」**として最も有名です。
頭痛・肩こり・ストレス・歯痛など、上半身の痛みや緊張に幅広く使われます。
五兪穴の分類では「原穴(げんけつ)」にあたり、気血の流れを調整し、全身のバランスを整える働きがあります。
📍 場所と取り方
親指と人さし指のあいだの“V字”の部分で、2本の骨が交わるところより少し人さし指寄りのくぼみが合谷です。
やさしい取り方
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手の甲を上にして、親指と人さし指で「L字」をつくります。
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付け根のふくらみ(虎口)の頂点より少し人さし指側を押します。
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ズーンと響くようなポイントが合谷です。
💡目安:親指の幅くらい手前で押すと最も反応があります。
🪶 名前の由来と意味
「合谷」とは、“合(あ)わさる谷”という意味があります。
親指と人さし指の骨(第1・第2中手骨)が合流する谷間にあることから名づけられました。
合谷は全身の「気血の交差点」とされ、経絡の流れを整える“要穴(ようけつ)”として古来より重用されています。
🩺 主な効果・効能
| 分類 | 主な効果・適応症 |
|---|---|
| ⚡ 鎮痛作用 | 頭痛、歯痛、肩こり、首のこり |
| 💆♀️ リラックス作用 | ストレス、不眠、自律神経の乱れ |
| 🔥 清熱作用 | 顔のほてり、目の充血、喉の腫れ |
| 💨 通経作用 | 血流を促進し、冷えを改善 |
💬 臨床応用
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頭痛・肩こり:合谷+曲池(LI11)で緊張を和らげます。
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歯痛・顔面痛:合谷+三間(LI3)で鎮痛と清熱を促します。
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ストレス・自律神経失調:合谷+内関(PC6)で心身を鎮めます。
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月経痛・冷え:合谷+三陰交(SP6)で循環を改善します。
⚙️ 押し方と刺激法
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指圧法:親指で垂直に10秒押して離す。3回繰り返します。
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鍼法:直刺0.5〜1寸。補瀉どちらにも使用可能。
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灸法:温灸2〜3壮。冷え・疲れのときに効果的です。
⚠️ 注意点
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妊娠中(特に初期)は強い刺激を避けます。
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強い痛みを感じるほどの刺激は逆効果です。
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自律神経系の症状(ストレス・不眠)には軽い圧が効果的です。
🧩 関連するツボ
| 目的 | 組み合わせ経穴 | 効果 |
|---|---|---|
| 鎮痛・清熱 | 曲池(LI11)、太衝(LR3) | 頭痛、歯痛、肩こり、熱感 |
| 自律神経調整 | 内関(PC6)、神門(HT7) | ストレス、不眠、緊張 |
| 冷え・月経痛 | 三陰交(SP6)、気海(CV6) | 下半身の循環促進 |
📘 教科書的分類
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属経絡 | 手陽明大腸経(LI) |
| 五兪穴分類 | 原穴 |
| 性質 | 鎮痛・通経・清熱・安神 |
| 取穴基準 | 第1・2中手骨間、中手骨中点よりやや第2中手骨寄りの陥凹部 |
🗺 図解イメージ
親指と人さし指の骨の分かれ目、人さし指寄りのくぼみに取ります。


🌿 まとめ
合谷(ごうこく/LI4)は、**「万能のツボ」**と呼ばれ、頭痛・肩こり・ストレス・不眠など、現代人が抱える症状に幅広く対応します。
気血の流れを調整し、痛みを和らげ、心身を落ち着ける力を持つツボです。
セルフケアでも安全に使えるため、日常の健康維持におすすめです。

