🧭 下廉(げれん/LI8)とは
下廉(げれん/Xialian)は、手陽明大腸経(LI)に属するツボで、前腕の外側に位置します。
「廉(れん)」は“角・ふち”を意味し、「下廉」は“大腸経の流れの下部にある縁のポイント”という意味を持ちます。
主に 肘から手首にかけての痛み・しびれ、腹部の張り、便秘、下痢などの大腸の不調に用いられます。
腕の過使用、デスクワーク、スポーツ後の前腕疲労にも有効なツボです。
📍 場所と取り方
下廉は、曲池(LI11)から手首(陽谿:LI5)に向かって(指4本分)下がった位置にあります。
前腕の橈骨(親指側)の外側ラインに沿って取ります。

やさしい取り方
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肘を軽く曲げ、肘の外側のくぼみ(曲池)を探します。
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曲池から指4本分、手首方向へ下がります。
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親指側の骨に沿って押し、痛気持ちよく響く場所が下廉です。

💡目安:前腕の真ん中よりやや肘寄り、親指側のキワがポイントです。
🪶 名前の由来と意味
「廉」は“ふち・境界”。
大腸経は腕外側を流れ、その途中に“上廉・下廉”という2つの節があります。
下廉は、気血が一段落して再分配される位置にあり、局所の痛みや腸の不調に働きかけるツボとされています。
🩺 主な効果・効能
| 分類 | 主な適応 |
|---|---|
| ⚡ 鎮痛作用 | 前腕痛、肘痛、しびれ、腱の緊張 |
| 💧 調整作用 | 腹部膨満、便秘、下痢、大腸機能の不調 |
| 💨 通経作用 | 気血の巡りを整え、腕と腹部のつながりを改善 |
| 🔥 清熱作用 | 腕の熱感・炎症を鎮める |
💬 臨床応用
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肘の痛み・前腕の疲労:下廉+上廉(LI9)で腕全体の緊張を緩める。
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便秘・腹部膨満:下廉+合谷(LI4)+天枢(ST25)で大腸機能を整える。
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下痢・腹痛:下廉+足三里(ST36)で胃腸の働きを助ける。
⚙️ 押し方・刺激法
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指圧法:親指で垂直に10秒押して離す×3回。
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鍼法:直刺0.5〜0.8寸。通経・調整目的で補瀉どちらも使用します。
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灸法:腹部症状には軽灸を行うと効果的です。
⚠️ 注意点
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押しすぎると前腕の筋が緊張しやすいため、適度な圧にします。
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腹部症状が強い場合は三陰交(SP6)や中脘(CV12)なども併用します。
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スポーツ後の疲労時は軽い刺激が適します。
🧩 関連するツボ
| 目的 | 併用ツボ | 効果 |
|---|---|---|
| 腕の痛み | 上廉(LI9)、曲池(LI11) | 前腕・肘の緊張改善 |
| 便秘・腹部不調 | 合谷(LI4)、天枢(ST25) | 大腸機能調整 |
| 下痢 | 足三里(ST36)、関元(CV4) | 胃腸と免疫の調整 |
📘 教科書的分類
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属経絡 | 手陽明大腸経 |
| 五兪穴分類 | ─(郄穴でも兪穴でもない中間点) |
| 性質 | 鎮痛・調腸・通経 |
| 取穴基準 | 曲池から手首方向に3寸、橈骨外縁上 |
🗺 図解イメージ
曲池(肘外側)から指4本ぶん下の外側ライン
準備中です。
🌿 まとめ
下廉(LI8)は、肘〜手首の痛み・しびれ・疲労と、**大腸の不調(便秘・下痢・腹部張り)**に効くツボです。
腕の動きと腸の働きは大腸経でつながっているため、このツボは両方を同時に整える力を持ちます。
デスクワーク・スマホ操作・スポーツ疲労など、現代人にとって扱いやすいセルフケアポイントです。

