曲池(きょくち / LI11 / Quchi) は、肘の外側にある代表的なツボで、
臨床でも非常に使用頻度が高い「清熱・鎮痛・皮膚トラブル」に強い経穴です。

🩺 基本情報
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経絡名:手陽明大腸経(LI経)
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英名:Quchi(曲=カーブ、池=くぼみ)
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部位:肘を曲げたときにできるしわ(肘窩横紋)の外端
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取穴法(やさしい説明)
肘を90°に曲げた状態で、肘のシワ(肘窩横紋)の外端、
骨の出っ張り(上腕骨外上顆)の少し前側のくぼみに取ります。
📍 触ると、圧痛を感じやすい小さなくぼみがあります。
押すとジーンと響く感覚があるところが正解。
🧭 詳しい取穴ステップ
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肘を軽く曲げて、掌を上に向ける。
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肘のしわ(肘窩横紋)を確認する。
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その外側の端に触れると、外上顆(骨の突起)の前にくぼみがある。
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そのくぼみが 曲池(LI11)。
💡 **「曲がるところの池」**という名前の通り、肘を曲げた時に現れる小さな凹みが目印です。

⚙️ 刺激・押し方(押圧にも◎)
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押圧法:親指で垂直に押し込み、10秒 × 3回。
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響き感が腕全体に広がるくらいが目安。
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灸:1~3壮(熱刺激が苦手な人は温灸でも可)。
💡 効果・適応
| 分類 | 主な適応 |
|---|---|
| 清熱(熱を冷ます) | 発熱、のぼせ、口内炎、喉の痛み、二日酔い |
| 皮膚疾患 | アトピー、蕁麻疹、湿疹、皮膚のかゆみ |
| 局所 | 肘痛、腕のしびれ、テニス肘、腱鞘炎 |
| 全身 | 高血圧、頭痛、肩こり、便秘、のぼせ、ストレス性症状 |
🔬 生理学的視点
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肘関節外側部には橈骨神経浅枝や上腕動脈分枝が走行。
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曲池の刺激で末梢血流の改善や交感神経抑制が報告されています。
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中国では「退熱・降圧・消炎」の三大要穴の一つに数えられることもあります。
💬 臨床での使い方の例
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皮膚科・アトピー鍼:曲池+合谷+血海
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高血圧やストレス:曲池+太衝+内関
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テニス肘・上腕痛:曲池+手三里+肩髃
