【ツボ解説】陽谿(ようけい/LI5)|手首の痛み・親指のしびれに効くツボ【場所・効果・押し方を図解解説】

🧭 陽谿(ようけい/LI5)とは

陽谿(Yangxi)は手陽明大腸経(LI)に属するツボで、五兪穴のうち「経火穴(けいかけつ)」にあたります。
手首の痛み、親指のしびれ、腱鞘炎、手の冷えなどに用いられるツボです。
「谿(けい)」とは“谷”の意味で、骨と腱の間にある深いくぼみを指します。
陽谿はその名の通り、**「手の甲側(陽)にある谷」**に位置し、手の動きと神経の通りを整える重要なツボです。


📍 場所と取り方

手の甲を上にして、親指を反らせると手首の親指側にくぼみができます。
このくぼみが陽谿です。橈骨茎状突起と長母指伸筋腱・短母指伸筋腱のあいだにあります。

やさしい取り方

  1. 手首を軽く反らせて親指を上に立てます。

  2. 親指の付け根と手首の境目に、筋が2本浮かび上がります。

  3. その2本の腱の間、手首の横じわ上のくぼみが陽谿です。

💡目安:親指を広げるとくぼみが明確になり、指で押すとズーンと響く感覚があります。


🪶 名前の由来と意味

「陽谿」は、「陽の気が流れる谷」という意味を持ちます。
陽は活動と熱、谿は谷・流れの象徴です。
つまり陽谿は、**「活動のエネルギーが集まり、流れを調整する場所」**です。
このツボを刺激することで、手の関節や筋の動きを滑らかにし、気血の滞りを解消します。


🩺 主な効果・効能

分類 主な効果・適応症
⚡ 鎮痛作用 手首の痛み、腱鞘炎、関節痛、リウマチ性痛み
💫 神経調整 親指のしびれ、手のこわばり、手根管症候群
💧 清熱作用 手のほてり、炎症性の腫れ
💨 通経作用 気血の循環促進、手の冷えやだるさの改善

💬 臨床応用

  • 腱鞘炎・手首の痛み:陽谿+曲池(LI11)で炎症とこわばりを改善します。

  • 親指のしびれ:陽谿+合谷(LI4)で神経の流れを整えます。

  • リウマチや手関節炎:陽谿+陽池(TE4)で熱を冷まし、炎症を軽減します。


⚙️ 押し方と刺激法

  • 指圧法:親指で軽く押しながら、手首をゆっくり回す。10秒×3回。

  • 鍼法:直刺0.3〜0.5寸。軽い瀉法で炎症や痛みを鎮めます。

  • 灸法:冷えや慢性痛の場合、温灸を2〜3壮行います。


⚠️ 注意点

  • 過度な力で押すと腱や血管を圧迫するおそれがあります。

  • 強い炎症(腫れ・熱感)のあるときは軽い刺激にとどめます。

  • 長時間のパソコン作業やスマホ操作後のケアに適しています。


🧩 関連するツボ

目的 組み合わせ経穴 効果
手首の痛み 合谷(LI4)、曲池(LI11) 炎症を抑え、可動域を改善
手のしびれ 陽池(TE4)、内関(PC6) 神経・循環を整える
腱鞘炎 外関(TE5)、列缺(LU7) 前腕の筋緊張を緩和

📘 教科書的分類

項目 内容
所属経絡 手陽明大腸経(LI)
五兪穴分類 経火穴
性質 清熱・鎮痛・通経
取穴基準 橈骨茎状突起と長母指伸筋腱・短母指伸筋腱のあいだの陥凹部

🗺 図解イメージ

親指を反らせたときに浮き出る2本の腱のあいだ、手首のくぼみに取ります。
準備中です。


🌿 まとめ

陽谿(ようけい/LI5)は、手首の痛みやしびれ、腱鞘炎に効果的なツボです。
手の使いすぎやストレスによる緊張をやわらげ、血流と神経の通りを整えます。
手首の柔軟性を保ち、日常生活での疲労を予防するセルフケアとしてもおすすめです。

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この記事を書いた人

「医師×鍼灸師プラットフォーム HARI×MED」管理者。クリニックと併設鍼灸院を経営。医学的知見と経営・マーケティングを融合させ、鍼灸のファンを増やす活動を通じて受療率向上を目指しています。持続可能な医療連携モデルの構築を全国で支援します。

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