頬車(ST 6)完全解説|部位・取穴・主治・禁忌【WHO標準】

WHO標準経穴 / ST 6

頬車(ST6)きょうしゃ / Jiáchē

顎関節・顔面麻痺の要穴
経絡
胃経(ST)
五行
土行
特定穴
部位
下顎角前上方・咬筋隆起部

ツボマップで頬車を確認する →

部位・解剖

下顎角の前方斜め上方、咬筋が盛り上がる部位に取穴します。歯を食いしばる咬筋が隆起し、最も高い点の中央が目安です。

神経支配
顔面神経の下顎縁枝
血管
咬筋動・静脈
筋肉・組織
咬筋
深部構造
下顎骨外側面

取穴法(見つけ方)

  • 1
    座位で口をリラックス
    軽く歯を合わせて咬筋をリラッックスさせる。
  • 2
    歯を食いしばり咬筋隆起確認
    軽く歯を食いしばって咬筋の盛り上がり部を触れる。
  • 3
    隆起の最高点に取穴
    咬筋隆起の中央(最も盛り上がった点)に取穴する。
取穴のポイント
歯を食いしばったときに最も盛り上がる咬筋の中心が頬車。

刺鍼・施術法

🪝
基本施術法
直刺0.3〜0.5寸。または斜刺(地倉方向への透刺)。
⚠️
注意事項
深刺しは咬筋を損傷する可能性あり。適切な深度で刺入する。

どんな症状に効くの?

😮
顔面神経麻痺
頬部の麻痺・口角偏位に最頻用穴。
😬
歯痛・顎関節症
下歯の疼痛・顎関節の痛みに。
💪
食いしばり・夜間歯ぎしり
咬筋の過緊張緩和に効果。
🗣️
構音障害
舌・顎の運動障害を伴う発語困難に。
🤝
よく使う組み合わせ
顔面麻痺の定番は頬車+ST4地倉(透刺)+LI4合谷+ST2四白。歯ぎしりには頬車+ST7下関+LI4合谷。

ST4 地倉ST7 下関LI4 合谷ST2 四白GB20 風池

自分で押すときのポイント

⚠️
セルフケアの注意
痛みや腫れが強い場合は医療機関を受診してください。セルフケアは補助的に行ってください。
👋
セルフケア方法
両手の人差し指~中指で頬車部を円を描くように30秒ずつマッサージ。食いしばり・顎の疲れに効果的。

鍼灸師・学生向け:刺鍼・施術のポイント

※ここからは専門的な内容です。一般の方は読み飛ばしていただいて構いません。

取穴体位
座位
鍼の深さ
直刺0.3〜0.5寸
施灸
温灸5〜7壮
得気
局所の脹・重感・歯への放散
📌
刺鍼の注意点(重要)
地倉からの透刺(地倉→頬車)は麻酔科的手技として熟練者向け。咬筋ボツリヌス治療の代替とざて鍼が使われることもある。

科学的なエビデンス

🔬 顔面神経麻痺への鍼効果

頬車+地倉を中心とした顔面局所鍼治療がBell麻痺の回復を促進するというRCTとシステマティックレビューが複数報告されています(Cochrane 2010改訂版含 )。

📊
エビデンスについての注意
鍼灸は補完代替療法として通常の医療と組み合わせて使うものです。重症の場合は必ず医療機関を優先してください。

よくある質問

Q

食いしばりに頬車へ鍼は効きますか?

A

咬筋の過緊張による食いしばり・歯ぎしりには頬車への鍼が有効です。咬筋内部へのドリイニードリングとしても使われます。

まとめ

📌
頬車(ST6)のポイントをおさらい
場所:下顎角前上方・咬筋隆起部。主な効果:顔面麻痺・歯痛・食いしばり。顔面麻痺治療に必須の穴。

関連ツボ:ST4 地倉ST7 下関LI4 合谷ST2 四白

著者:ハリメド編集部|現役鍼灸師監修
参照:WHO/WPRO Standard Acupuncture Point Locations (2008)、中医鍼灸学(上海中医薬大)
本記事は情報提供を目的としており、医療行為の代替ではありません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
📘 所属経絡ガイド
この経穴は足陽明胃経に所属しています。経絡の循行・全経穴一覧・臨床応用をまとめた完全ガイドはこちら:
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「医師×鍼灸師プラットフォーム HARI×MED」管理者。クリニックと併設鍼灸院を経営。医学的知見と経営・マーケティングを融合させ、鍼灸のファンを増やす活動を通じて受療率向上を目指しています。持続可能な医療連携モデルの構築を全国で支援します。

目次