人迎(じんげい、Renying)は足陽明胃経(ST)に属する経穴です。WHO/WPRO標準経穴部位(2008年)では前頸部、喉頭隆起水平、胸鎖乳突筋前縁、総頸動脈上に定められています。高血圧(降圧)・咽喉腫痛・甲状腺腫などへの臨床応用が知られています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 穴名 | 人迎(じんげい) |
| 英名 / 拼音 | Renying |
| 経脈 | 足陽明胃経(ST) |
| 番号 | ST9 |
部位・取穴法・刺鍼
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部位(WHO/WPRO 2008) | 前頸部、喉頭隆起水平、胸鎖乳突筋前縁、総頸動脈上 |
| 刺鍼方向・深度 | 直刺0.3〜0.8寸 |
| 禁忌・注意 | 総頸動脈・頸静脈への刺入禁忌・禁灸・強刺激禁忌 |
取穴のポイント
喉頭隆起(のどぼとけ)と同じ高さで胸鎖乳突筋の前縁に取穴。総頸動脈の拍動を左手で触れながら右側から外側に進針。強い刺激・灸は厳禁。
解剖学的情報
刺入組織層:皮膚→頸筋膜→胸鎖乳突筋。総頸動脈が穴の直内側・深部を走行。迷走神経が頸動脈鞘内を通過。頸動脈洞の圧受容器が穴周囲に分布。
主治・適応
- 高血圧(降圧)
- 咽喉腫痛
- 甲状腺腫
代表的な配穴
| 主治・症状 | 配穴 | 臨床的根拠 |
|---|---|---|
| 高血圧 | 曲池(LI11)・太衝(LR3) | 大腸・肝経の合穴・原穴で潜陽・清熱を図る |
| 咽喉腫痛 | 合谷(LI4)・少商(LU11) | 遠隔の大腸・肺経穴で咽喉熱証を解除する |
臨床エビデンス
人迎は総頸動脈洞周囲の頸動脈圧受容器の密集部位に位置し、バロセプター反射を介した降圧効果が神経生理学的に説明されます。RCTでは人迎を含む鍼治療が収縮期血圧を有意に低下(5〜10mmHg)させることが示されています(Zhang et al., 2019)。ただし深刺・強刺激は迷走神経刺激による徐脈・失神を誘発する危険があり禁忌です。
禁忌・施術上の注意
総頸動脈・頸静脈への刺入禁忌・禁灸・強刺激禁忌
まとめ
人迎(じんげい)は足陽明胃経(ST)に属し、WHO/WPRO標準に基づき前頸部、喉頭隆起水平、胸鎖乳突筋前縁、総頸動脈上に位置します。高血圧(降圧)・咽喉腫痛・甲状腺腫などの主治に用いられ、刺鍼は直刺0.3〜0.8寸が標準です。施術時は総頸動脈・頸静脈への刺入禁忌・禁灸・強刺激禁忌に注意が必要です。
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著者:ハリメド編集部|現役医師監修
