口の中の痛い口内炎は、食事や会話が辛くなる悩ましい症状です。東洋医学では、口内炎を体内の熱の表れと考え、ツボを刺激することで根本的な改善を目指します。本記事では、口内炎に効果的な3つのツボをご紹介し、セルフケアで症状を緩和する方法をお伝えします。
口内炎と東洋医学
東洋医学では、口内炎を「胃熱(いねつ)」または「心火上炎(しんかじょうえん)」と考えます。これは、体内に余った熱が胃や心経に溜まり、口腔粘膜に炎症をもたらす状態です。疲労やストレス、辛い食べ物の過剰摂取が原因となることが多いです。
合谷は「面口は合谷に収む」という古典で知られ、顔面部の症状に対する代表穴です。労宮は心包経に属し心火を鎮める作用があり、三陰交は陰を補うことで体の潤いを保ちます。これらのツボを組み合わせることで、口内炎を根本から改善できます。
2週間以上治らない口内炎は口腔外科の受診をお勧めします。繰り返す場合はベーチェット病などの可能性もあります。ツボ押しは軽度の口内炎のセルフケアです。
口内炎におすすめのツボ3選
① 合谷(ごうこく)LI4 ― 顔面部の熱を鎮める
合谷は手陽明大腸経に属し、顔面部症状の特効穴として古くから重宝されています。体内の余ᬱを排出し、口腔内の炎症を鎮めます。口内炎が痛むときに刺激することで、痛みの軽減と治癒の促進が期待できる最も重要なツボです。

位置:
手の甲側、親指と人差し指の骨が合わさるところ(虎口)の最も高い部分に位置します。
押し方:
親指で痛気持ちいい程度の強さで、3秒押して1秒休む動作を5~8回繰り返します。1日3回、毎日刺激するとより効果的です。
② 労宮(ろうきゅう)PC8 ― 心の熱を鎮める
労宮は手厥陰心包経に属し、心の過剰な熱(心火)を鎮める穴です。心包経は口腔に関わる経脈であり、労宮を刺激することで口腔粘膜の炎症を直接的に鎮めます。合谷と約み合わせることで、より高い効果が期待できます。

位置:
手のひらの中央。手を握ったとき、中指と薬指の先端が当たるあたりに位置します。
押し方:
反対の手の親指で手のひらの中心をグリグリと押します。5秒×5回を目安に。毎日朝晩2回刺激するとより効果的です。
③ 三陰交(さんいんこう)SP6 ― 体の潤いを保つ
三陰交は足太陰脾経に属し、陰液(体液)を補う強力なツボです。口腔粘膜の潤いを回復させることで、炎症の治癒を促進します。特に、繰り返す口内炎や治りにくい口内炎に対して、根本的な体質改善が期待できます。

位置:
内くるぶし(内側の足首の突起)の最も高い部分から指4本分(約10cm)上へ上がったところ、すねの内側の骨のふちに位置します。
押し方:
親指で5秒ゆっくり押して、5秒かけてゆっくり離します。5~10回を目安に。毎日刺激することで体質改善効果が高まります。
セルフケア実践ガイド|安全な押し方のコツ
基本の押し方:爪を立てず、指の腹を使います。「痛気持ちいい」程度の強さが目安です。呼吸を止めずにゆっくり押してください。
最適なタイミング:朝晩2回、毎日刺激することが重要です。口内炎が出た時点で㍳座に開始すると、治癒が早まります。
おすすめルーティン:合谷5回→労宮5回→三陰交5回の順で、朝と就寝前に実施します。毎日の継続がポイントです。
やってはいけないこと:食直後の刺激、皮膚に傷がある場合の刺激、爪を立てての刺激は避けてください。
効果を高める配穴の約み合わせ
合谷・労宮・三陰交に加えて、以下の配穴との組み合わせでさらに効果が期待できます。
もっと効果を実感したいなら ― 鍼灸院という選択肢
セルフケアで「気持ちいい」と感じたら、プロの鍼灸師による施術を検討する価値があります。鍼灸院では、より正確な穴位の刺激に加え、体内の熱を根本的に冷ます施術が可能です。特に繰り返す口内炎の場合は、数回の施術で大きな改善が見込めます。
セルフケアで気持ちいいと感じたら、一度プロの施術を受けてみることをおすすめします。その後のセルフケアがより効果的になります。
関連する経穴・ツボガイド
口内炎に関わる経脈について、詳しい情報はこちら:
手陽明大腸経(LI)
手厥陰心包経(PC)
足太陰脾経(SP)
著者:ハリメド編集部|現役医師監修
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
