パソコンやスマートフォンの長時間使用で、目の乾きを感じる方が増えています。東洋医学では、ドライアイを目の潤い不足として捉え、ツボ刺激で根本的な改善を目指します。本記事では、ドライアイに効果的な3つのツボと、毎日実践できるセルフケア方法をご紹介します。
ドライアイと東洋医学
東洋医学では「肝は目に開竅する」という理論があります。これは、肝臓の機能が目の潤いに直接影響することを意味します。肝血不足(血液の不足)や陰虚(体液不足)の状態では、目の潤いが失われ、ドライアイが生じます。パソコン作業による疲労やストレスは、肝の機能を低下させる主要な原因です。
睛明と攅竹は目の周りの局所穴で、直接目の血行を促進します。太陽は経外奇穴で目の疲れ全般に対応します。これらを合谷・三陰交と組み合わせることで、目の潤いを根本的に回復させることができます。
目の充血や強い痛みを伴う場合は眼科を受診してください。ツボ押しは軽度のドライアイのセルフケアであり、点眼薬等の治療の代替ではありません。目の周りは皮膚が薄いため、非常にやさしい圧で刺激してください。
ドライアイにおすすめのツボ3選
① 睛明(せいめい)BL1 ― 目の潤いを回復
睛明は足太陽膀胱経に属し、目の周囲で最も重要なツボです。目頭付近に位置し、目の血行を直接的に促進します。目の乾きや疲れを感じたときに刺激すると、すぐに目の潤いが戻ったような感覚を得られます。毎日の刺激で、ドライアイの根本的な改善が期待できます。
睛明(BL1)と目周辺経穴の3D位置図位置:
目頭と鼻の付け根の間のくぼみに位置します。目頭の内側の最も奥まったところです。
押し方:
人差し指の腹を使い、非常にやさしく2~3秒押します。強く押さないことが重要です。朝晩各5回、毎日刺激してください。
注意:目の周りは非常に敏感です。爪を立てず、指の腹を使い、やさしい圧で行ってください。
② 攅竹(さんちく)BL2 ― 眉周りの血流改善
攅竹は足太陽膀胱経に属し、眉毛の内端に位置する重要な穴です。目の疲れと乾きの両方に対応し、眉周りの血行を促進することで目の潤いを増加させます。睛明とともに刺激することで、目周辺の血液循環が大幅に改善されます。

位置:
眉毛の生え際の内端、眉頭のくぼみに位置します。目頭の上側、眉毛の最も内側です。
押し方:
眉毛を指でつかむようにして、親指の腹で下から上へ少し引き上げるような感覚で3秒押します。5~8回繰り返してください。朝晩各1セット。
注意:眼球に圧力がかからないよう、眉毛の生え際で刺激してください。
③ 太陽(たいよう)EX-HN5 ― こめかみの疲れを取る
太陽は経外奇穴で、こめかみに位置する特殊なツボです。目の疲れと頭部への血流改善に優れ、ドライアイに伴う眼精疲労を効果的に緩和します。パソコン作業後に刺激すると、目の疲れがすっきり取れます。毎日の刺激で目の調子が大幅に改善されます。
太陽(EX-HN5)のおおよその位置位置:
こめかみの部分。眉尻と目尻を結んだ線の中点から、指1本分後ろ(耳方向)のくぼみに位置します。
押し方:
親指の腹で3~5秒ゆっくり押します。気持ちいい強さが目安です。5~10回繰り返してください。疲れを感じたときにいつでも刺激できます。
セルフケア実践ガイド|安全な押し方のコツ
基本の押し方:目の周りの皮膚は薄いため、非常にやさしい圧で刺激してください。爪を立てず、指の腹を使うことが重要です。
最適なタイミング:朝の起床時と就寝前、およびパソコン作業の休憩時間(30分ごと)に刺激するのがおすすめです。
おすすめルーティン:睛明→攅竹→太陽の順で、各5~8回刺激します。朝晩のルーティンとして毎日実施してください。
重要な注意:コンタクトレンズは刺激前に必ず外してください。アイメイクをしている場合も同様です。
やってはいけないこと:強い圧力、爪を立てての刺激、眼球への直接的な圧力は厳禁です。
効果を高める配穴の組み合わせ
睛明・攅竹・太陽に加えて、以下の配穴との組み合わせでさらに効果が期待できます。特に全身の血行と潤いを改善する穴が有効です。
もっと効果を実感したいなら ― 鍼灸院という選択肢
セルフケアで「気持ちいい」と感じたら、プロの鍼灸師による施術を検討する価値があります。鍼灸院では、目周辺の精密な穴位刺激に加え、肝の機能を根本的に改善する施術が可能です。特に長期的なドライアイの場合は、数回の施術で大幅な改善が期待できます。
セルフケアで気持ちいいと感じたら、一度プロの施術を受けてみることをおすすめします。その後のセルフケアがより効果的になります。
関連する経穴・ツボガイド
ドライアイに関わる経脈について、詳しい情報はこちら:
著者:ハリメド編集部|現役医師監修
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
