車や電車、飛行機などの乗り物に乗ると気持ち悪くなる乗り物酔い。多くの人が経験する悩みですが、実は東洋医学では古くからツボを使った対策が知られています。乗車の30分前からツボを刺激することで、予防・緩和が期待できます。本記事では、乗り物酔いに効果的な3つのツボをご紹介します。
乗り物酔いと東洋医学
東洋医学では、乗り物酔いを「胃気上逆(いきじょうぎゃく)」と考えます。これは、本来下降すべき胃の気が逆流し、嘔吐や悪心が生じると考えます。
乗り物酔いにおすすめのツボ3選
① 内関(ないかん)PC6 ― 乗り物酔い予防の最強穴
内関は手厚陰心包経に属する穴で、嘔吐や悪心に対する特効穴として古くから知られています。胃の気の上逆を鎮め、自律神経のバランスを整えることで、乗り物酔いの予防・緩和に極めて有効です。乗車30分前から刺激することで、最も効果的です。

位置:
前腕の内側、手首のシワから肘へ向かって指3本分(約7cm)上がったところ、2本の腱の間に位置します。
押し方:
反対の手の親指で3~5秒押して離す。5~10回を目安に。乗車30分前がおすすめです。
② 合谷(ごうこく)LI4 ― 気血のめぐりを改善
合谷は手陽明大腸経に属し、「面口は合谷に収む」という句典の言葉で知られる要穴です。顔面部を含めた全身の気血の流れを調整し、乗り物酔いに伴う悪心や頭痛を緩和します。内関とともに刺激することで、相乗効果が期待できます。
合谷(LI4)の3D位置図
位置:
手の甲側、親指と人差し指の骨が合わさるところ(虎口)の最も髖い部分に位置します。
押し方:
親指で少し強めに、3秒押して1秒休む動作を5~8回繰り返します。両手を刺激すると効果的です。
③ 足三里(あしさんり)ST36 ― 体全体の調子を整える
足三里は足陽明胃経に属する強穴で、胃の機能を根本的に調整する重要なツボです。消化機能の改善と同時に、全身の気血を整えることで、乗り物酔いの予防に役立ちます。毎日刺激することで、体質的な改善も期待できます。

位置:
膝の下、外側のくぼみ(膝下の突起)から指4本分(約10cm)下がったところ、すねの外側に位置します。
押し方:
親指で5秒かけてゆっくり押し、5秒かけてゆっくり離す。5~10回を目安に。毎日刺激すると予防効果が高まります。
セルフケア実践ガイド|安全な押し方のコツ
基本の押し方:爪を立てず、指の腹を使い、呼吸を止めずにゆっくり押します。痛すぎない「気持ちいい」強さが目安です。
最適灪タイミング:乗車の30分前から押し始めるのがベストです。乗車中も必要に応じて刺激できます。
おすすめルーティン:内関→合谷→足三里の順に各5~10回、朝と乗車30分前に実施すると予防効果が高まります。
やってはいけないこと:食直後の刺激、強すぎる圧力、肌が傷ついた場所への刺激は避けてください。
効果を高める配穴の組み合わせ
内関・合谷・足三里に加えて、以下の配穴との組み合わせでさらに効果が期待できます。
もっと効果を実感したいなら ― 鍼灸院という選択肢
セルフケアで「気持ちいい」と感じたら、プロの鍼灸師による施衃を検討する価値があります。鍼灸院では、より正確な穴位の刺激と、体質に合わせた施衃が可能です。特に頻繁に乗り物酔いになる方は、数回の施衃で体質改善が見込めます。
セルフケアで気持ちいいと感じたら、一度プロの施術を受けてみることをおすすめします。その後のセルフケアがより効果的になります。
関連する経脈・ツボガイド
乗り物酔いに関わる経脈について、詳しい情報はこちら:
手厥陰心包経(PC)
手陽明大腸経(LI)
足陽明胃経(ST)
著者:ハリメド編集部|現役医師盤修
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
