パソコン作業で目がショボショボ、コンタクトレンズがゴロゴロ——ドライアイは日本人の約2,200万人が罹患する現代の国民病です。東洋医学では「肝は目に開く」と考え、肝血と腎陰を補うことで涙液の分泌を回復させます。本記事では鍼灸師監修のもと、ドライアイに効く厳選8つのツボを詳細に解説します。
🔍 ドライアイの東洋医学的弁証
| 弁証タイプ | 主な症状 | 治療方針 |
|---|---|---|
| 肝血虚 | 目の乾き・かすみ目・まぶたのけいれん | 養血明目・補肝 |
| 肝腎陰虚 | 慢性のドライアイ・ほてり・腰だるい | 滋陰補腎・養肝明目 |
| 肺陰虚 | 目と鼻の乾燥・乾いた咳・皮膚の乾燥 | 滋陰潤肺・明目 |
| 気血両虚 | 疲れると悪化・全体的な疲労感 | 補気養血・明目 |
📍 ドライアイに効くツボ8選 ― 一覧表
| ツボ名 | WHO表記 | 位置(かんたん解説) | 主な効能 |
|---|---|---|---|
| 攅竹 | BL2 | 眉頭の内側、眼窩上縁の窪み | 明目潤目・祛風 |
| 四白 | ST2 | 瞳孔の真下、眼窩下縁の窪み | 明目潤肌・通経 |
| 風池 | GB20 | 後頭部、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間 | 疏風明目・通絡 |
| 合谷 | LI4 | 手の甲、親指と人差し指の間 | 明目通絡・清熱 |
| 太衝 | LR3 | 足の甲、第1・2中足骨の合流点 | 養肝明目・疏肝 |
| 三陰交 | SP6 | 内くるぶしの上、指幅4本 | 養血滋陰・補肝腎 |
| 太谿 | KI3 | 内くるぶしとアキレス腱の間 | 滋陰補腎・明目 |
| 養老 | SI6 | 尺骨茎状突起の橈側の窪み | 明目舒筋・養老 |
🎯 ドライアイに効くツボ8選 ― 詳細解説
① 攅竹(さんちく)BL2 ― 目の潤いを直接回復

位置:眉毛の内端(眉頭)、眼窩上縁の窪み。
押し方:両手の親指で左右同時に、骨の縁に沿って優しく押す。3秒×10回。
目の周りの血行を直接改善し、涙腺の機能を活性化。目の乾きと疲れを即座に軽減する局所ツボ。
② 四白(しはく)ST2 ― 目の下の血行を促進

位置:瞳孔の真下、眼窩下縁から約1cm下の窪み。
押し方:人差し指の腹で骨の縁に沿って優しく押す。3秒×10回。
目の下の血行を改善し、涙液の質と量を向上。クマの改善にも効果的で、美容鍼でも頻用。
③ 風池(ふうち)GB20 ― 頭部の血流を改善し目に栄養を

位置:後頭部の髪の生え際、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間の窪み。
押し方:両手の親指を窪みに当て、頭を支えるようにして押す。5秒×10回。
後頭部から目への血流を改善し、目に十分な栄養と酸素を供給。パソコン疲れの総合的な改善にも。
④ 合谷(ごうこく)LI4 ― 顔面の気血を巡らせる

位置:手の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前の筋肉上。
押し方:反対の親指と人差し指で挟み、強めに5秒×10回。
顔面の気血を巡らせ、目の乾きと充血を改善。デスクワーク中にいつでも使える便利なツボ。
⑤ 太衝(たいしょう)LR3 ― 肝血を養い目の潤いを回復

位置:足の甲、親指と人差し指の骨の合流点手前の窪み。
押し方:親指でズーンと響く強さで5秒×10回。
「肝は目に開く」——肝経の原穴で肝血を養い、涙液の分泌を根本から回復。慢性ドライアイの体質改善に。
⑥ 三陰交(さんいんこう)SP6 ― 体全体の陰液を補充

位置:内くるぶしの頂点から指幅4本分上、すねの骨の内側際。
押し方:親指でじんわり押し、5秒×10回。
体の潤い(陰液)を全体的に補充。目だけでなく口・鼻・皮膚の乾燥も同時に改善。
⑦ 太谿(たいけい)KI3 ― 腎陰を補い涙液を増やす

位置:内くるぶしの頂点とアキレス腱の間の窪み。
押し方:親指で窪みをじんわり押す。3〜5秒×10回。
腎経の原穴として腎陰を補う。腎陰は「体液の源」であり、涙液を含む全身の分泌液を増やします。
⑧ 養老(ようろう)SI6 ― 目の老化を防ぐ

位置:手首の背側、尺骨茎状突起の橈骨側の窪み。
押し方:指先で窪みをピンポイントに押す。3秒×10回。
「老を養う」の名の通り、加齢による目の衰えを予防。老眼・ドライアイ・かすみ目に古来より使われる重要穴。
🕐 ドライアイ セルフケアルーティン
| 時間帯 | ツボ | 方法 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| 朝・洗顔後 | 攅竹 BL2 + 四白 ST2 | 目の周りのツボで涙液分泌を促進 | 3分 |
| PC作業中(2時間毎) | 合谷 LI4 + 養老 SI6 | 手のツボで目をリフレッシュ | 2分 |
| 夕方 | 風池 GB20 + 太衝 LR3 | 頭部の血行改善+肝を養う | 5分 |
| 就寝前 | 三陰交 SP6 + 太谿 KI3 | 体の潤いを補充し夜間の修復を促進 | 5分 |
📚 ドライアイ×鍼灸 エビデンス紹介
- ドライアイに対する鍼治療のRCTにおいて、鍼治療群が人工涙液群と比較してシルマーテスト値(涙液量)とBUT(涙液安定性)を有意に改善したことが報告されています(Acupuncture in Medicine, 2019)。
- 攅竹(BL2)・四白(ST2)を含む眼周囲の鍼治療が、涙液のムチン層を改善しドライアイの自覚症状を軽減したとの報告があります(BMC Complementary Medicine and Therapies, 2020)。
- 鍼治療がドライアイ患者のOSDIスコア(症状スコア)を4週間で有意に改善し、効果が3ヶ月持続したとのRCT報告があります(JAMA Ophthalmology, 2018)。
🔗 関連する症状別ツボガイド
👉 頭痛のツボ — 目の疲れからくる頭痛を改善するツボ
👉 肩こりのツボ — PC作業の肩こりを解消するツボ
👉 首こり・寝違えのツボ — 首の緊張を緩和するツボ
👉 更年期障害のツボ — ホルモン変化による乾燥を改善するツボ
👉 花粉症のツボ — 目のかゆみ・充血を改善するツボ
❓ よくある質問(FAQ)
Q. 目薬とツボ押しは併用できますか?
A. はい。人工涙液で即座に潤いを補いつつ、ツボ押しで自分自身の涙液分泌力を高める併用が理想的です。
Q. コンタクトレンズによるドライアイにも効く?
A. はい。ただしコンタクトの素材や装用時間の見直しも重要です。ツボ押しで涙液の質・量を改善することでレンズの快適性も向上します。
Q. パソコン作業中に最も簡単にできるケアは?
A. 合谷(LI4)を押しながら意識的にまばたきを20回行う「合谷+まばたき法」が最も手軽です。20分に1回行いましょう。
Q. ドライアイの改善にどのくらいかかりますか?
A. 人工涙液不要になるまで1〜3ヶ月が目安です。ツボ押しを毎日続けることで、徐々に自然な涙液分泌が回復します。
⚠️ 免責事項
本記事は鍼灸師監修による一般的な健康情報の提供を目的としています。ドライアイの症状が重い場合やシェーグレン症候群が疑われる場合は眼科を受診してください。
