年齢とともに気になるフェイスラインのゆるみや頬のたるみ。東洋医学では、顔面部の経絡の気血循環が滞ることで筋肉(表情筋)の張りが失われると考えます。ここでは、セルフケアとして安全に押せるおすすめのツボを3つ厳選し、正しい位置と押し方をわかりやすく解説します。
顔のたるみと東洋医学
東洋医学では、顔は多くの経絡(けいらく)が集中する場所です。とくに足陽明胃経は顔面を広く走行し、表情筋の栄養と密接に関わります。加齢やストレス 睡眠不足などで気血の巡りが悪くなると、筋肉に栄養が届きにくくなり、たるみやむくみとして現れます。
ツボ押し(指圧)で局所の血行を促し、表情筋に適度な刺激を与えることは、セルフケアとして手軽に取り入れられる方法です。ただし、強く押しすぎると逆効果になることもあるため、「気持ちいい」と感じる程度のやさしい圧で行うことが大切です。
顔のたるみの原因は加齢だけでなく、急激な体重変化や甲状腺疾患などが関係する場合もあります。気になる症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。ツボ押しはあくまでセルフケアの一つであり、医療行為の代替ではありません。
顔のたるみにおすすめのツボ3選
① 四白(しはく)ST2 ― 頬のリフトアップに
四白は足陽明胃経に属する経穴で、目の下のくぼみ(眼窩下孔)のあたりに位置します。頬の血行を促進し、表情筋を活性化させる作用があるとされ、東洋医学では古くから顔面部の疾患に用いられてきました。

位置:瞳子の真下、目の下の骨の縁から指1本分(約1cm)下。軽く押すと小さなくぼみがあります。
押し方:両手の人差し指の腹を左右の四白にそっと当て、骨に向かってやさしく垂直に押します。3〜5秒キープ → ゆっくり離す、を5回繰り返します。
注意:目の近くなので。爪を立てず指の腹でやさしく押してください。コンタクトレンズ着用中は外してから行うと安心です。
② 頬車(きょうしゃ)ST6 ― フェイスラインの引き締めに
頬車は下顎角(エラ)の前上方、歯を食いしばると盛り上がる咬筋の上に位置します。同じく足陽明胃経に属し、下顔面の気血循環を促す要穴です。フェイスラインのたるみや顎関節の不調にも伝統的に用いられます。

位置:下顎の角(エラの骨)から指1本分前上方。歯を食いしばると筋肉が盛り上がり、力を抜くとくぼむ場所です。
押し方:両手の中指の腹を左右の頬車に当て、小さな円を描くようにゆっくり回しながら押します。5〜10秒×5回が目安です。
注意:顎関節症がある方は強く押さないでください。痛みが出たらすぐに中止しましょう。
③ 合谷(ごうこく)LI4 ― 顔全体の血行促進に
合谷は手の甲、親指と人差し指の骨が交わるくぼみに位置する手陽明大腸経の原穴です。「面口は合谷に収む」という古典の言葉があるように、顔面部の症状全般に用いられる代表的なツボです。顔への血流を促し、肌のトーンアップやむくみ軽減が期待できます。


位置:手の甲側、親指と人差し指の骨が合流する手前のくぼみ。反対の手の親指で押すと「ズーン」と響く感覚がある場所です。
押し方:反対の手の親指で合谷を挟むように押し、5秒キープ → 離す、を左右各5回。やや強めの圧でもOKです。
注意:妊娠中の方は合谷への強い刺激を避けてください(子宮収縮を促す可能性があるため)。
セルフケア実践ガイド|安全な押し方のコツ
基本の押し方:指の腹を使い、「気持ちいい」と感じる圧でゆっくり押します。1回3〜5秒、1か所5回が目安。呼吸を止めず、吐く息に合わせて押すとリラックス効果も高まります。
タイミング:朝のスキンケア前や入浴後の血行がよい時間帯がおすすめです。1日1〜2回を目安に続けましょう。
おすすめルーティン:① 合谷(手)→ ② 四白(目の下)→ ③ 頬車(フェイスライン)の順に押すと、全身→顔面上部→顔面下部と段階的に血行を促せます。
やってはいけないこと:ゴリゴリ強く揉む、皮膚を引っ張る、長時間同じ場所を刺激し続ける行為は、かえって皮膚や筋肉を傷め、たるみを悪化させる可能性があります。
効果を高める配穴の組み合わせ
上記3つのツボに加え、以下のツボを組み合わせると相乗効果が期待できます。
もっと効果を実感したいなら ― 鍼灸院という選択肢
セルフケアのツボ押しは手軽ですが、指圧で届く刺激には限界があります。鍼灸院では、鍼(はり)を用いて表情筋やその周囲の組織に直接アプローチできるため、より深い層への刺激が可能です。いわゆる「美容鍼」として、顔のたるみ・しわ・くすみへの施術を行う鍼灸院も増えています。
セルフケアで「ツボ押しって気持ちいいな」と感じたら、一度プロの施衃を体験してみるのもおすすめです。
関連する経穴・ツボガイド
本記事で紹介したツボの詳しい解説は、以下の経穴ガイドをご覧ください。
足陽明胃経(ST)ガイド
手陽明大腸経(LI)ガイド
督脈(GV)ガイド
著者:ハリメド編集部|現役医師監修
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
